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ダウンバースト 発見・メカニズム・予測

¥1,944(税込)

小林文明/著 A5判 152ページ 


あなたは「ダウンバースト」を知っていますか? 建造物を破壊したり、航空機を墜落させたりするほどのパワーをもつダウンバーストは竜巻同様ある特別な積乱雲による現象です。その雲の正体は? 遭遇したらどうやって身を守るのでしょう? 大好きな積乱雲を観測し続けて30年。竜巻研究の第一人者である著者が解説する極端気象の第2弾!

竜巻とダウンバーストは、ともに積乱雲に伴う激しい大気現象ですが、「ダウンバースト」という言葉は聞きなれない人が多いと思います。竜巻は珍しい大気現象として太古の昔から人々は認識していました。一方、積乱雲からの降水や下降気流は良く知られた構造ですが、構造物を破壊したり、航空機を墜落させるほどの風速を持つ下降流の存在はつい最近まで知られていませんでした。竜巻が〝非日常〟的な現象なのに対して、下降流は〝日常〟的な現象であったがために逆に気づかれなかったのかもしれません。
ダウンバーストは日本人が発見した現象です。1975年に発見されてから現在に至る物語を本書にまとめました。竜巻同様あるいはそれ以上にわが国でもダウンバーストによる被害は数多く発生して、身近なものとなっています。ダウンバースト、ガストフロント、アークの構造など、これまで一般書では触れられてこなかった内容、最新の知見をまとめました。また、既刊『竜巻─メカニズム・被害・身の守り方─』からレベルアップして、本書では内容を「基礎編」、「応用編」で構成しました。応用編では、レーダー気象学についてまとめました。
〝危険な黒い雲〟の正体を明らかにしたいというのが本書の目的です。予測困難といわれる突風も、その構造がわかり、適切な観測測器で観れば、確実に捉えることができ、身を守ることが可能であるということが伝われば幸いです。

【目次】
序章 竜巻とダウンバースト
〈基礎編〉
1章 ダウンバーストの発見
1.1 相次いだ航空機事故
1.2 ミスター・トルネード
1.3 ダウンバースト観測プロジェクト
1.4 ダウンバーストの被害パターン
1.5 ダウンバーストの階層構造

2章 ダウンバーストのメカニズム
2.1 ダウンバーストの定義
2.2 竜巻、つむじ風、突風との違い
2.3 発生メカニズム
2.4 ダウンバーストの可視化
2.5 スノーバースト

3章 ガストフロント
3.1 ガストフロントの構造
3.2 アークの形態
3.3 地上気象要素の変化
3.4 突風構造
3.5 ガストネード

4章 ダウンバーストの実態
4.1 日本のダウンバースト被害
4.2 ダウンバーストの統計
4.3 ダウンバーストのレーダーエコー
4.4 ダウンバーストから身を守る
4.5 日本版EFスケール

〈応用編〉

5章 ダウンバーストの観測と予測
5.1 ドップラーレーダーによる観測手法
5.2 ドップラーレーダーによる観測事例
5.3 ガストフロントの短時間予測
5.4 超高密度地上気象観測網
5.5 ダウンバーストの発生頻度

コラム① LAWS(ローズ)
コラム② 藤田哲也博士
コラム③ ガストフロントと寒冷前線の違い
コラム④ ダウンバーストと普通の下降流の違いは?
コラム⑤ ダウンバーストとガストフロントの違いは?
コラム⑥ 津波の〝あおり風〟
コラム⑦ 航空機の対策は?
コラム⑧ ダウンバーストの最大風速は?
コラム⑨ 都心で発生したら
コラム⑩ ガストフロント通過時には何が起こる?
コラム⑪ 何故Fスケールを変えるの?
コラム⑫ 竜巻・ダウンバーストの将来予測